問題解決能力を身につける唯一の方法、それは失敗を経験すること

 

次の文章を見てください。
 
『改善することはいいことだ。いいことは、どんどんやっていこう』
 
この文章の意味を考えると、改善するということは、そもそも問題や不都合があるから改善をするわけです。すべてのことが、問題なく理想通りに事が進んでいるのなら改善の必要はありません。この文章は、問題があることが前提になっています。さらに、いいことはどんどんやっていこう、と言っています。どんどんやるためには、問題がたくさんないとできない。より多く問題を見つけ改善し解決していくことになる。

 

問題が1件 < 10件 < 20件 < 50件 ・・・・の方がいい。

 

しかし、皆さんの頭の中には別の論理が存在します。それは「問題は悪だ」という考え方。悪は存在してはいけないもの。問題が目に見える形でそこにあるのはダメなんです。だから問題を隠します。隠すことによって存在しないものとします。問題がそのまま隠され、改善されないまま存在していることになる。あるとき限界値を越えて問題が爆発し大きな穴をあけることになる。会社の利益が失われ損害を与えてしまうことになる。

 

なぜ、こうなってしまうのか。問題はリスクをともないます。人はリスクを嫌います。できれば避けたい、そう思ってしまう。だから問題を隠してします。ほんの些細な問題も人は嫌うため改善が進みません。会社はそもそも問題を受け入れない組織なのです。問題は組織をゆるがす要因です。会社にとって一番困るのが組織の崩壊です。問題がより多く存在することは組織の秩序を乱され、やがて会社存在の危機となって現れてくる。無秩序をつくり出す要因を徹底的に排除しようとする。これが会社の基本姿勢です。

 

しかし、よく考えてください。問題が存在しない会社はありますか。どんな優良企業でも問題は必ず存在します。問題を改善することで会社は成長し利益を生み出す組織に変わったいくものです。つまり問題を悪と考えるのではなく、利益を生み出す源泉だと考え直すこと必要です。問題を受け入れる姿勢を持つことが大事になります。

 

問題を起こすと怒鳴り散らす人がいますが、これだと人は委縮してしまい改善活動は進みません。寛大な気持ちで無条件に受け入れることによって自然と改善が進みます。人はより良く生きたいと願っているため不都合があれば改善していきます。

 

それではなぜ改善をしようとしないのか。それは問題解決能力が著しく欠けているからです。問題に立ち向かうためには、それを解決するだけの能力が必要となります。この能力が養われていないと人は問題から逃げてしまいます。問題解決能力を養うためには失敗を経験しないといけない。失敗を経験することで問題に立ち向かっていくことができるのです。

 

 

 まとめ

 

問題は組織を無秩序させる要因です。無秩序は組織を混乱させ崩壊させる存在なので、会社はこれを嫌う。しかし問題を解決することで会社が成長し発展していく。問題は利益を生み出す源泉です。問題解決能力を身につけ問題に立ち向かっていく姿勢を持つこと。それには失敗を経験しなければいけない。