撤退も戦略のひとつ、事業をやってダメなら即撤退する
撤退も戦略のひとつ
事業をやってダメなら撤退する。
人は自分がしたことは正しいと思ってしまうので、赤字の事業でも、さらにお金を追加して事業を継続しようとする。その結果、多額の負債をかかえて経営が厳しくなることはよくある話です。
当初の計画通りにならなかった場合、即撤退する。撤退も事業戦略のひとつと考え、うまくいかなければ即撤退もありと見方を変える。事業を撤退するとなると、負け組あるいは経営手腕がない人だ、と思う人もいるかもしれませんが、撤退も立派な事業戦略だと考えましょう。この決断ができる人は、成長できる人です。優れたマネージメントをする人は、損切ができる人です。
事業を成功させるのは簡単ではない
千三つとは997回失敗するということ
千三つ※と言われるように、事業を成功させるのはとても大変なことです。ダメなら固執せずに撤退を決断することは、深いキズになる前に最小限のキズで留める方法です。
1000のうち3つしか成功しないということは、997回失敗するということです。つまり、より多く失敗を繰り返さないと、成功へたどり着けないことを意味しています。失敗を恐れるばかり何もしないと、結局のところ成功は訪れない。失敗を許容できるビジネスマインドが必要です。
言い換えるならば、試行錯誤をしていく。一直線に成功へたどり着ければいいが、そう簡単にはいかない。ビジネスは、やってみないとわからない面が多々ある。いろいろな要因が複雑に重なって、結果となって現れる。たまたま偶然が重なって成功したこともあるくらい、さまざまな要因が働く。ビジネスの難しさがここにある。
事業はプロセスが大事
結果に注目するよりも、試行錯誤の過程が実は大切です。よりダメージを少なくするために、まず最初はお金をかけず小さなことからスタートする。スモールビジネスが最適です。もし失敗をしても、ダメージが最小限に抑えられる。テストトライアルを数多くやって見る。これが最速で成功するやり方です。
テストトライアルを数多くこなすことで、成功するビジネスを見つけ出すことができる。スモールビジネスのいいところは、実際に経験し結果を見ることができる。机の上であれこれ考えてみても、それは空論にすぎないことがある。人は「思い込み」をしてしまうからです。これを防ぐためにも、テストトライアルはいい方法です。実際に事業を始めて、ダメなところを確認できます。どのような経過をたどって上手くいかなかったのか、これを検証して次回に活かしていきます。ダメなところを確認するためにもプロセスを大事にしていく。
※《千品目出しても当たるのは三品目くらいの意》食品業界で、新商品の開発の難しさをいう言葉。
出典:デジタル大辞泉
<スモールビジネスのメリット>
- 事業がうまくいかなかったら撤退が容易
- 用意するお金が少なくて済む
- 事業を簡略化できる
- 労力を最小限にできる
- 好きなこと得意なことに集中できる
(参考)
▼ 国税庁のデータによると
・会社設立1年で60%が倒産・廃業する 生存率40%
・設立5年で85%が倒産・廃業する 生存率15%
・10年以上存続する会社 6.0%
・20年以上存続する会社 0.3%
・30年以上存続する会社 0.025%
会社の寿命
東京商工リサーチの調査によると2020年に倒産した企業の平均寿命は23.3年。
✅ 製造業 33.4年
✅ 卸売業 27.4年
✅ 運輸業 26.2年
✅ サービス業他 18.0年
✅ 情報通信業 14.9年
✅ 金融・保険業 22.0年
出典:https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20210203_01.html
まとめ
事業を成功させるのはとても大変なことなので、やってみてダメなら即撤退という判断もありです。ダメージをより小さくするために、お金をかけずにテストトライアルをたくさんこなす。こうすることで精度の高いビジネスモデルが完成する。失敗を恐れずに、まず試行錯誤を繰り返していきましょう。