世界の音楽業界、音楽を聴くから消費する時代へ

 
POINT
◆ 米国内のストリーミングサービスの売上が80%に到達した
◆ 音楽はそのときの気分で聴きたい曲を聴く
◆ 無名のアーティストたちの活躍の場が広がった

 
 

2019年の全世界での音楽市場売上レポート(メディア別売上推移)


 

 

音楽業界メディアの変遷

カセット

レコード

CD

ダウンロード

ストリーミング
 

 

アメリカレコード協会(RIAA)の調査によると、米国内でのストリーミングサービスの売上は売上全体の80%に到達した。いまやストリーミングで音楽を聴く時代となった。
 
従来の方法はテレビやラジオから、あるいはCDショップから音楽を知って購入するかたちでしたが、インターネットの普及によって誰でも音楽を聴けるようになってしまった。そのことによってメジャーデビューしないと楽曲が売れない時代が長く続いた。ここへ来てインディーズの音楽も聴けるようになり音楽の幅がグーンと広がった。消費者にとってみると今まで聴くことができなかった音楽が聴けるようになり、そして人目に触れなかったアーティストたちの活躍の場が広がり可能性が無限大になった。
 
ストリーミングの最大の特徴は、リスナーがそのときの気分によって聞きたい曲を検索して聴けるようにしたことにある。つまり、楽曲そのものが重要で誰の楽曲かは関係ない。 アーティーストと楽曲のひもづけをなくした。無名であったアーティストが、検索機能によって活躍の場が広がった。なかには活躍の場が、インターネットだけというアーティストもめずらしくない。
 

 

 

音楽業界はあらたな局面をむかえている

レコード会社を通さずにアーティストが独自に活躍できる時代となる。アーティストが、自身の判断で世に出したい楽曲を自由に出せるようになったことは画期的なことです。さまざまな楽曲が、登場する機会が増えることを意味している。これによって、音楽の多様性が生まれ顧客の幅も格段と違ってくる。TOP40の時代が終わりTOP 43,000の時代になった [※] 。またアーティストとファンが直接つながることができるメリットは大きい。大きなうねりが起き始めている。
 
※https://qz.com/1899097/is-spotify-killing-the-top-40/

 

ここへ来てレコード会社の存在意義が問われ始めている。従来レコード会社が行っていた制作/宣伝/管理といった作業は、ほとんどいらなくなった。アーティストはインターネット上のプラットフォームを活用して自由にできるので、レコード会社と契約などする必要がない。

 

音楽を聴くから消費する時代となった。楽曲が登場してから消えるまでの時間が早い。あっという間に多くの人に聴かれたかと思ったら市場から姿を消し、新しい楽曲が次々登場する。曲そのものもの時間が短くなり聞き飽きたら次を聴く、といった消費する時代となっていった。

 

Billboard Hot 100にチャートインした曲のうち、曲の長さが2分30秒以下の割合

 

 
音楽配信サービス「Spotify」において、もっともストリーミングされたアーティストTop10(2017年~2020年)
 

Here are the top 10
1. Post Malone
2. Ed Sheeran
3. Drake
4. XXXTENTACION
5. Ariana Grande
6. Billie Eilish
7. The Chainsmokers
8. Khalid
9. Shawn Mendes
10. Imagine Dragons
 

Most Popular Artists on Spotify 2017-2020 (Ed Sheeran, Post Malone, Drake)
 

出典:https://youtu.be/1WQoq59bTSY

 
 
 
 

まとめ

 

Spotifyの有料会員数が1億3000万人を突破した。音楽業界は新たな局面をむかえている。ストリーミングで音楽を聴くことが一般化するのも時間の問題だ。もはや後戻りができないところにきている。いままで聴くことができなかったジャンルの音楽やアーティストの楽曲を聴きことができるようになり、音楽の幅が広がった。それにともなって、従来のスタイルで稼いでいた人たちにとっては、苦境に立たされている。
 
 
ストリーミングの最大の特徴

・リスナーが、そのときの気分によって聴きたい曲を聴くことができる。
・誰の曲かは関係ない、楽曲に意味がある。
・アーティーストと楽曲のひもづけがなくなった。
・検索機能によって、無名のアーティストの活躍の場が広がった。