リモートワーク中の人事評価は何が基準となるのか、アンケート結果から見えてくるもの

 

「リモートワーク中の人事評価がどうなっているのか気になる」

「評価が下げられ給料が減らされたら困る」

「評価基準があいまいで不安だ」

 

といった疑問を持った人もいるかもしれません。

在宅勤務で見えない場所で仕事をしているので、不安な気持ちになるのは当然なことです。しかも評価基準があいまいなまま何の説明もなくリモートワークに入ったため、その気持ちは増すばかり。一時的な緊急避難で行われたリモートワークだったが今後も継続的に導入されるとなると、やはり評価基準はハッキリしてもらいたい気持ちは働く側にあるのも事実です。

 

人材紹介会社の調査によると、リモートワーク中の生産性評価基準は以下のような結果になっています。

 

TOP3

1位 完了した業務の量

2位 評価指標(KPI)の達成度

3位 労働時間数・応答の早さ

 

出典:https://dime.jp/genre/940484/

 

 

この結果を見ると「量をこなすこと」に重点をおいています。客観的な指標としてわかりやすい基準です。期待されているリモートワークの働き方はムダを削り生産性を上げること。つまり質よりも量を重要視するという考え方です。業務の作業効率を考えないで量だけを追求されると働く側に負担をかけることになるので注意が必要です。

 

いくら量をこなすと言ってみても人間には限界があります。業務の量に焦点をあてるといずれ限界点に達します。業務そのものを変革し収益構造を抜本的に変えることをしなければ給料を大幅に上げることは難しい。コロナ禍だからこそ、いまがチャンスです。この機会を逃すと二度と来ない。

 

おすすめは業務改善プロジェクトをつくる。コロナ禍に乗じて業務改善プロジェクトを発足する。形式上は在宅勤務の作業改善をメインに考えるが、実は収益構造を変えることを念頭に置いたプロジェクトにする。これは口に出す必要はない。自分の頭の中だけに留めて置き将来に備えていく。すでにプロジェクトが発足しているのならばメンバーに立候補する。いきなり大きなテーマを掲げても人はついてこないので、まずは身近な問題から徐々に改善を進めていく方が現実的です。

 

 

ミニプロジェクト業務改善委員会

【メリット】

  • 気軽に始められる
  • 小さなテーマで業務改善する
  • できそうな内容で発足させる
  • 周囲の理解が得られやすい
  • 業務改善に取り組む姿勢が評価される

 

【デメリット】

  • 言い出した本人が責任者となる
  • リーダーの資質がないとストレスとなる
  • 協力者がいないと苦労する

 

 

ここだけの話だけど、ぶっちゃけリモートワークでは中間管理者の存在意義が問われてくる。リモートワークが定着すれば必然的に個人のスキルを重視したジョブ型ワークスタイルに変わっていく。そうなると中間管理職の役割が従来と大きく異なる。今はまだ担当者の生産性を議論している段階だが、会社の収益構造そのものを変えない限り部下に負担を強いるだけの働き方になってしまう。いくら働いても給料が上がらない構造は変えなければいけない。従来の仕事の進め方では限界にきている。

 

ある調査によると、部下がいるマネージャーの5人に1人はリモートワークを続けたくない、と回答している。人材育成が難しいことを理由にあげているが、本当に難しいのはこれからです。経営環境が激変している状態で会社の業績を上げなければいけない立場にいる。中間管理職の役割がさらに大きくなっていく。

 

 

まとめ

 

リモートワーク中の生産性評価基準は、完了した業務の量がもっとも多い評価基準となった。とてもわかりやすい客観的な基準で採用されやすい。その反面、働く側に過度に量をこなす働き方になってしまう。給料を上げるためには、会社の収益構造そのものを抜本的に変えなければ、いくら働いても給料は増えないことになってしまう。それには中間管理職の果たす役割が大きい。